気が付けばもう10月。
2017年もあと3か月でお終いですね。
秋になって、財田キャンプ場周辺で主にカヌーに乗っていますが、
毎年この時期はガイドの私たちが楽しみにしているものがあります。
「サクラマスの産卵遡上」です。
「サクラマスはこの川に産まれ、洞爺湖という湖で育った後に、
生まれた川に戻り産卵をし、その後は自然に戻ってゆきます。」
文章で書くとこんなにシンプル。
だけれど、
夏が終わった空気の涼しさや
木々の葉が乾いて、枯れ始めた匂い、
魚の生臭い匂いが湖畔に漂い、
水の冷たさに驚き、
湖面の静寂や風のダンスに見とれ、
河口周辺に集まる動物、鳥たちの何か「お祭り」のような高揚した雰囲気を感じ・・・。
一度でも実物をその目で見たら、間違いなく
「感動」することでしょう。
今年の産卵遡上のシーズンは、残念ながらほぼ終わりました。
そして、それは洞爺湖の「紅葉・黄葉」の始まりでもあるのです。
季節の移ろい、収穫や豊穣への感謝、掴みどころのない寂しさ。
それらを大きく包み込む、静かで力強いもの。
変わりつつ、変わらないものが、
北海道の片田舎には今でもしっかり存在しています。
そんな素敵で大きな自然に抱かれる。
錦秋・有終の美・寂寥感・充足・別離・運命・循環・・・・
秋のカヌーツアーの最中は、いろいろな言葉が頭をよぎるようです。
季節に、景色に埋もれてみるのも良し。
ただ、言葉もなく圧倒されてみるのも、また良いものです。
(ゆ)