アウトドアで過ごす服装について(2:レイヤリング)ベースレイヤー
では、レイヤリング(最近良く聞きますよね)について。
レイヤリング=目的に合った、効率的な重ね着です。
目的に合ったレイヤリング(重ね着)をしないと、
アウトドアではあまり意味はありません。
1.まず、重ねる層について
ここでは、シンプルに3つのレイヤー(3層)でお話しします。
A)ベースレイヤー
これは肌に直接触れる層の事。いわゆる肌着ですね。
ここのポイントは「汗や水分を体表面から離す事」です。
B)ミッドレイヤー
中間層の事。体温の保温を考えて着る層です。
体表から出た水分をより遠くに離す事も重要です。
C)アウターレイヤー
一番外側の層。雨や雪、風を防ぐ層です。
同時に、体表面から出てきた水分を外に放出する役割もあります。
2.ベースレイヤー:素材のお話
さて、一番皮膚に近い肌着層です。
自分自身の経験から、ここがかなり重要です。
上にどんなに良いものを着ても、ここがダメなら「寒い」
という事で、ベースレイヤーによく使われる素材のお話から。
・・・・・・・・ここから・・・・・・・・・
綿(コットン)
アメリカで過ごした学生時代(もう30年近く経ってる・・・)
自然を勉強する専攻を学んでいました。
学生寮ではアウトドア好きだらけで、しょっちゅうキャンプです。
カウボーイが約7割。アウトドア派が3割くらい。
3年目の夏には、標高3000m近くにある専用のキャンパス(山の中)で
1か月ほどの間、万年雪の残る山岳~丘陵にかけての自然の全般
(地層~地上の植物、動物、昆虫、気象、それらの仕組みや関りなど)、
を10人くらいの専門の教授達と一緒に過ごしながら学ぶという、
今考えればとても贅沢な夏季集中講座を受講していました。
朝8時~夕方5時までフィールドワークだらけ、ずっと外という日も良くありました。
そこで聞いて、体にしみたひと言
「Cotton is Death.」(綿は死ぬよ)
何やらとても怖い一言ですが、これはアウトドアで過ごす際の正論です。
木綿、コットンは、汗を素早く吸収し、肌触りがよく、たくさん収穫出来て安い。
加工や着色もしやすいのか、おしゃれなTシャツも多いですね。
リーバイス517もラングラー13MWZもコットンだよな。
し・か・し、「濡れたらすぐには乾かない」のです。
乾くまでの間、水分は蒸発しながら熱を逃がしていくので、
濡れた服に接している体は熱を奪われ続け、体温は下がり続けます。
屋外でいる間中、体力は消耗し続け、最悪は・・・・。
寒い間を気合で乗り切るか、それとも濡れない方が良いか?
結論として、私のとっての綿(コットン)は、
いつでも暖かな場所に避難できる時に着る、「街着」です。
毛(ウール)
羊毛に代表される天然の動物性繊維です。
天然繊維なので比較的アレルギーや湿疹も起きにくいのですが、
動物性のため、人によっては痒みを感じる人もいます。
単純に「チクチクする」人も多いかもしれません。
しかし、保温と水分を肌から離す機能は抜群です。
ウールのセーターだけではなく、より繊維が細く肌にも優しい
メリノウールの肌着も多く販売されています。
唯一の欠点は「価格が高め」なこと。
それ以外は、断然お勧めです。
化学繊維(化繊)
安価で大量に手に入るコットン、量は少ないし高いけれど機能に優れるウール、
それをバランスよく配合したようなものが、化学繊維です。
良く巷で聞く、「濡れても暖かい」「速乾」系の生地ですね。
・・・・・・・・・素材の話はここまで・・・・・・・・
私がベースレイヤーに求める機能としては、
・汗や水分をすぐに吸収する
・すぐ乾く
です。
そして、価格や機能のバランスから、「化学繊維」系を使用しています。
最近は様々なメーカーから多くの商品が出ています。
個人的なおすすめは、やはりアウトドアウェアメーカーかな?
スポーツメーカーや作業服系、量販店のオリジナルなどは、
・暖かいが、蒸れる
経験がほとんどです。
恐らく、
・室内にすぐに行けて着替えが出来たり、
・そこまで長時間、屋外で激しい運動を続けない
という前提でもあるのかもしれません。
個人的なチョイス:(あくまで個人の例です)
・パタゴニアのキャピリーンデイリー ロングTシャツ
・パタゴニアのキャピリーン ミッドレイヤータイツ
・モンベルのジオライン タイツ(厚さはいろいろ)
・スマートウール、ダーンタフなどの靴下
さぁ、調子に乗ってきてしまいました。
3部作の予定が、すでに伸びそうです。
次回は「ミッドレイヤー」、出来れば「アウターレイヤー」について。
※本来は各メーカーの記述にリンクを付けたいところですけど、
皆さんキーワードで探してみてね。